僕と誰かの日常の記録/妄想文章

個人的なブログ。永遠のど素人が一級建築士試験を受けてみた。小説や映画の感想。思いつきで書く創作的文章など。

枝豆と肉

ぼりぼり、ぼりぼり、ぼり。彼は、ダイニングチェアに胡座をかきながら、テーブルに広げた枝豆をつまんで食べている。コンビニで買ってきた、プラ容器に包装されて開けたらすぐ食べられる茹で枝豆。ひとつまみ、ひとつまみ、一心不乱に食べている。 僕はキッ…

彼女の人生は間違いじゃない

瀧内公美さん主演ということで気になっていた映画です。 アマゾンプライムでレンタルしてみました。 つくづく便利。学生時代にチャリ飛ばしてツタヤに通って、映画CDを物色していた時代が懐かしい。震災後の福島を描いた本作。 主演の瀧内公美さん、前から好…

ドラマ【ドラゴン桜】観てたら諸々の受験のことを想い出したよ

少し前に最終回を迎えたドラマ【ドラゴン桜】 面白かった。劇中に出てくる受験テクニックには汎用性のあるもの満載で。精神論と理論が交わるいい感じのところ。中でも、東大に受かることを一義的に考えるのであれば志望学科の変更も辞さないというのは参考に…

1R6畳3万円

僕は煙草のフィルターを口につけて、たっぷりと煙を肺の中に吸い込むと一秒程度の余韻をもって空中に吐き出した。煙の向こう側ではサトシとケイコが笑いながら縺れている。フローリングの床にはビールやチューハイの空き缶が転がっている。煙草を吸い終わる…

宅配

配達の男の人から小ぶりなダンボール箱を受け取って、玄関のドアは早々に閉まった。がちゃん。ふたたび、空間は静寂に包まれた。配達の彼と、一瞬だけ目が合った。 彼は何か困惑したような表情を見せたけれど、すぐさま営業用の笑顔に修正したようで「ありが…

映画【モテキ】再視聴。

若さとは遠くになりて想うものなんてね。タイトルにあります映画版モテキ、公開当時に一度視聴しているんですが、アマゾンプライムに出てきたのでその日の気分で再視聴。何年越しなのだろう。本当は【願い】という映画を観ようと思っていたのだが、重い内容…

配達

今日、荷物を配達したアパートで奇妙な体験をした。「配達ご苦労さまです。ありがとうございます」そのひとは、懇切丁寧に僕に頭を下げてダンボールの箱を受け取った。賞状の授与式かなんかかよ、と、だるかった卒業式の風景を思い出した。「ありがとうござ…

さあ、始めようか(tofubeatsのRUNを聴きながら決意する)

ここで僕の近況を久々に。コロナウイルスの影響で受注は絶望的になった2020本当に状況がまずくなった頃、 ウェブサイトを刷新してインターネット上でのアピールに勝負を賭けようと動いた。 どうにもこうにも、そうしないことには顧客との接触の機会がない。…

これは恋じゃない

ある女の子と肉体的な接触をしたとき、 その一時間後にはすでにほとんどなにも後味が残らなかった。彼女も僕との出来事を、それと同じに捉えている。 そうだったら、辻褄が合う。彼女にとって僕はたまに会うコンビニの店員と同じくらいの存在でしかないよう…

真夜中にベルが鳴る 2

そう問いかけると、彼は、卑屈そうな顔で笑った。「待ってるけどさ、来ないんだよな」蚊の鳴くような声。つよがりでさえない。これは恋愛系を強烈にこじらせた症状だと、僕は思った。「おまえ、ひょっとして好きな人とかできたの」彼は目を合わせず、独り言…

真夜中にベルが鳴る 1

深夜に鳴動する携帯電話の着信が、まるで救いの音色のように聞こえたことはあるだろうか。10年も前の話をふと思い出してこの文章を書いている。その日、僕は下北沢の大衆居酒屋で友人と飲んでいた。 彼とは同じタイミングで上京してきてから、くだらないこと…

百円の恋

好きな子にそっぽ向かれても、 友達に裏切られても、 自分にはこれがあるんだと、 根拠のない希望を妄想で膨らまして、 生きることができた。それは時には、 音楽だったり、 小説だったり、漫画だったり、 映画だったりした。なにかに没頭するとき、 呼吸が…

深夜と雑音

今日も音が聞こえる。色々な音。かちゃ、かちゃ。かちゃ、がちゃ。 ソファに転がり、スマートフォンを触りながらアルコールを摂る僕の視界の隅。シンクと皿が接触して不愉快な音を立てている。音それ自体には感情なんてないはずだ。でも、その音は僕を責める…

硬球と彼女 1

あるボクシング選手が、たったいま世界王者になった。僕はそれを、点けていたテレビの画面越しに眺めていた。 ボクシング選手はリングを囲む大勢の、ほんとうに大勢の人の喝采を中央で浴びて、目を潤ませてなにやら感謝の言葉を言った。リングの上から視線は…

映画【劇場】は痛かった

加入したてのアマゾンプライムで、又吉直樹原作の【劇場】を視聴した。 面白かった。 そして痛かった。主演の山崎賢人がとても良かった。 ずっと僕の中での山崎賢人はラブコメの王子のイメージだったが、それはジジイの網膜に焼き付いたただの残像だと知った…

エヴァンゲリオンの終劇と僕の個人的な感傷

遅ればせながら、映画館でシンエヴァンゲリオンを観てきた。 休日、前の日の仕事が頭にちらついて、疲れていたけれども家に居る気分にもなれなかった。違う世界に没頭することにして服を着替えた。劇場でエヴァを観るのは旧劇場版以来。上映中、不思議な感情…

備忘録。

誰かに強い言葉を投げつけられて、一晩中そのことについて考えたあげく自分を責めた。 翌日自分なりに出した結論を相手に伝えてみる。「そんなこと言ったっけ?(笑)」と笑われた。 そんなぼくだ。ずっと。でも、じっと生きているだけでも考え方は変わる。 時…

「蚊の泣くような頼りない声で」っていうすげえ歌詞

Mr.Childrenの往年の名曲、「つよがり」。。東京。 独り暮らしの部屋で、日が落ちる頃、何をするあてもなくて、聴いていた。 不安定だった。 何が理由というわけでもなく、僕の中身は、ゆらりゆらりと揺れて、どうやってバランスをとればいいのかすらわから…

どうせだめならやってみよう

今日は、ほんとうに些細なことだけどいいことがあったから、明日から頑張ってみよう。そう思うことはたまにある。でも、今日はなんともいえない最悪なことがあって、そのおかげでモヤモヤしていた色々なことが吹っ切れた、なんて日もある。不思議だ。 意味も…

妄想文章

たしかに、からだはつながった。 どろどろな時間をすごした、ひとつになれたと思った。 でも、あの人が玄関のドアを開けて出ていってから2時間がたって、完全にはひとつになれないって知った。 テレビを点けた。どうでもいい人がどうでもいいことを話してい…

記憶の彼方へ

毎年、この季節になると思い出す、なんて、そんな記憶がある人は幸せなのか不幸なのか?大失恋の記憶も三年経てば「そんなことあったかな」と忘却することのできる僕という人間は幸せなのか?一級建築士試験が近いことを思い出したのは、このブログをいまで…

時の流れは激しくて、

久し振りに雨が降った。でも雨が降って気分が浮かれるなんて、なんか奇妙だなと思った。 だいたいの場合、雨は憂鬱の象徴だ。それも誰かによって固定された観念かもしれないけど。雨には心を落ち着かせる精神的効用がある。 なんとなく少しぐうたらしていて…

不動産業界をテーマにした小説

「狭小邸宅」という小説を読んだ。 少し前、住宅や不動産業界を主題にしたフィクションが読みたくて探していた時に見つけた本だった。でもこのあらすじを読んで、当時小説のストーリーに癒しやちょっとした救いのようなものを探していた私はどうも食指が伸び…

猫の建築家

猫の建築家。 なんと素敵なタイトルでしょうか。猫と建築、どちらも好物!そのタイトルに惹かれてAmazonで購入しましたよ。 美とはなにか、それが存在するのかどうか、そんなことを哲学的に考えたくなる余韻の残る本。 建築をがっつり題材にした小説を僕はあ…

近況

久々ですが、生きています。一級建築士の自分、に体が馴染んできた今日この頃であります。しっくりくるぞ!なんだか去年の今頃とはまたまた違う心持ち。 受験仲間も今年にめでたくリベンジを果たし、一級建築士コミュニティーが広がりを見せる傍ら、受験に嵌…

文学と建築、なんてな

最近、なるべく1日に少しでも本を読むようにしている。 というのは、今の時期はがぜん設計などの仕事が忙しい。ともすれば自分がただの作業マシーンであるような気持ちになってしまうから。 こんな毎日に彩りを加えたいがために、ぼくは本を読んでいる。最…

今年もまたこの季節が。

平成30年一級建築士設計製図試験が終わりました。去年の今頃を思い出して、少しセンチメンタルな気持ちになっています。。試験後には、試験前とまた違った苦しみが待っていて、それは、一方通行の恋にも似ているかもしれません。とてもとても大好きな人とや…

バッドエンドでしか終われない、それが僕という人間

回顧する。昔のことは色々あった。ここでやめとけば、形の上ではハッピーだったのにな、ってことたくさんある。欲が出てしまったとか、おさまりがつかなかったとか、踏みとどまれない要因はなんだかいつも似て非なるもの。もう少し先の未来を追及してもいい…

恋煩い

僕の嫌いな人。その圧倒的第一位は、無神経な人。人からこう見られたい。 相手はどう思っているか。 願わくば可も不可も無いくらいでいいので好感を持たれたい。 すこしは話がわかるやつだと思われたい。 間違っても嫌われたくない。こわい。 そんな気持ちが…

絶望にはまだ早い

一級建築士学科試験の合否が発表されて数日。 今年の合格点は91点らしかった。なんとなく思い出して、昼下がりに試験元のホームページを覗いてみる。 そんな動作をしながら、もう来年は検索すらしなくなるのだろうな、と、何の理由もなくそう感じた。中学生…