文学と建築、なんてな
最近、なるべく1日に少しでも本を読むようにしている。
というのは、今の時期はがぜん設計などの仕事が忙しい。ともすれば自分がただの作業マシーンであるような気持ちになってしまうから。
こんな毎日に彩りを加えたいがために、ぼくは本を読んでいる。
最近も書店で適当に選んだ小説を二冊買った。
適当というとあれだけれど、直感的に素敵だと思ったものを選んだ。
ひとつは、カバーに書いてあった本文中の抜粋の文句がすごくよかった。もうひとつは、ぱらぱら捲って、なんとなく好ましい感じがしたからだ。
本との出会い、とくに、はじめの数ページを読み進めているときは、すごくわくわくする。初めての作家さんの本を読むときなんて、まるで初対面のひとと話す時のような気持ちになっている。
この人はどんなキャラの人で、一体どんなことを考えているのかな?
最初はよく見えない。初対面の相手と会話をするように、相手の意図を探りながら、すすめていく。
そのうち、作者がどのようなペースで、どのように物事を捉えているかが、ゆっくりとなんとなくわかるような気がしてくる。
そういう瞬間がぼくはとても好きだ。
設計マシーンのように設計していると、ふと、なんともいいがたい味気なさに気づくときがある。
建築にも情緒がほしい。
それには言葉をつむぐことが必要だ、とぼくは思っている。
宮脇さんの本をよく読むのは、そういう心の隙間をを埋めてくれる効用があるからかもしれない。
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