彼女の人生は間違いじゃない
瀧内公美さん主演ということで気になっていた映画です。
アマゾンプライムでレンタルしてみました。
つくづく便利。学生時代にチャリ飛ばしてツタヤに通って、映画CDを物色していた時代が懐かしい。
震災後の福島を描いた本作。
主演の瀧内公美さん、前から好きだったのだけれど今回の演技もとても良かった。表情が特に。
高良健吾さんの雰囲気も好きだ。
「俺、この仕事好きなんだよね。人間のいろんなとこ観られるし。いいところも悪いところも……」
なんで風俗で働くのかわからなかった、という感想をネットでいくつか見つけた。生活に困窮しているわけでないのに、という。
人の気持ちは……、理屈をつけて説明してみても結局はどうなんだろ、と思う。
僕には、言葉で多くを語りすぎないこの映画の描写が心地よく感じた。
自分が納得したいからなんらか理由を見つけたいだけなんだ、みんなそうだろうって思う。
じっさいに僕も、そうだ。
なんで煙草を吸うのか、健康に悪いのに、なんで酒を飲むのか、明日の仕事に支障が出るだけなのに、と、僕は、人に面と向かってそう問われたらどう答えるだろう。
そんなことをふと思った。的外れかもしれないけど。
きっと、苦笑いを浮かべてその問いには答えないでいるだろう僕を想像した。
人のことは不思議に思って知りたがるのに、肝心の自分のことはあまりに分析できない。可笑しみ。
映画はとても素晴らしかった。
ひとまず明日も一日、がちりがちりと鈍牛のように一歩ずつ生きていくしかない、曲がりなりにもここで生きている、僕なりに。