僕と誰かの日常の記録/妄想文章

個人的なブログ。永遠のど素人が一級建築士試験を受けてみた。小説や映画の感想。思いつきで書く創作的文章など。

エヴァンゲリオンの終劇と僕の個人的な感傷

遅ればせながら、映画館でシンエヴァンゲリオンを観てきた。
休日、前の日の仕事が頭にちらついて、疲れていたけれども家に居る気分にもなれなかった。違う世界に没頭することにして服を着替えた。

劇場でエヴァを観るのは旧劇場版以来。

上映中、不思議な感情が訪れた。
シンジやアスカ、登場人物が画面に写し出されているとき、ほっこりする懐かしさのようなものと、芯からの安心感を抱いたのだ。
そんなこと、ぼくにとっては初めてのことだった。思えば初めてエヴァを見てから長い歳月だ。時間の効用はすごい。古い友達に再会できたときに似た高揚をもらえる。

エヴァが完結するということがなんとなく想像できなかった。今回もいくつかの消化不良と未来への期待を残して終わるかもしれないとさえ思っていた。
上映中、願わくばスッキリと終わらせて、ぼくの気持ちに区切りをつけて欲しいと願った。
明日からまた仕事だし、気分転換に成功した前向きな気持ちを家に持ち帰りたかったのだ。学生の頃はこんなことなかった。混沌は混沌のまま明日に持ち越してもむしろそういうものが好きだった。
疲れているのか?僕は。

そして、ちゃんと終わった。
想像を裏切ってしっかりと終わって見せた。
もちろん解釈なんかは色々あるのだろうという内容で、ネット上で考察を検索する楽しみも出来たなー、なんて考えながら家路を歩いた。

でも、これはとても不思議なんだけれど。
あんなに終わりを見届けたいと願っていたはずなのに、エンドロールのあと今すぐにでも彼らに会いたくなっていたぼくがいたのだ。

その日の夜は、学生時代の仲間と久々に会ったあとのように、心が痒くなった。

タイムスリップしたかのような二時間半は楽しかったけれど、
でもそれは、
あの頃には戻れないことをぼくに強く理解させる。

One Last Kiss

One Last Kiss

  • 発売日: 2021/03/09
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