僕と誰かの日常の記録/妄想文章

個人的なブログ。永遠のど素人が一級建築士試験を受けてみた。小説や映画の感想。思いつきで書く創作的文章など。

一級建築士試験とはじめの一歩

僕は少年漫画的な熱い愚直なストーリーが好きで、漫画でも小説や映画でも、そういった作品を好んで読んでいます。

これから、今まで生きてきたなかで心に響いたいくつかの作品を紹介していきたいと思っています。

まずは、


はじめの一歩より引用

ボクシングにラッキーパンチはない
結果的に偶然当たったパンチにせよ それは・・・練習で何百何千と振った拳だ
その拳は生きているのだ 試合を投げて適当に振ったパンチなど決して当たらん
当たったとしても死んだ拳では人は倒せん
ある者は名誉のため ある者は金のため 様々な理由のために辛い練習を耐え抜く
何千何万とサンドバッグを叩き 思いのたけ全てを両の拳にこめる
最期の最期まであきらめない そういう生きた拳こそが
奇跡を生むのだ!!(宮田の親父)

森川ジョージ「36巻 Round 321 生きた拳と死んだ拳」講談社

これはまんま一級建築士試験中の自分の心境とシンクロしました。壁紙にしたいくらいです。

『結果的にたまたま当たった記述の出題にせよ、それは、練習でさんざんと検討した内のひとつだ』
いや、うまく言えませんがすごく、試合を投げて振ったパンチなど決して当たらんのくだりとか心に刺さってきます。


そうだよ 見せたかったんだよ 愛子にカッコいい所をよ
それがオレがオレであるコトなんだ!!
ホレた女の前でカッコつけてえ 安物な夢かもしれねえよ
だけどオレにとっちゃ一番重要なコトなのさ!
勝ちてえんだよっ オレにカッコつけさせてくれよ オレの女が見てるんだよ
無様なままじゃひっこめねえんんだ
骨ならいくらでもくれてやる!そのかわり
キサマの魂をオレにくれっ!!(伊達英二)

結婚前後の切羽詰まった僕の気持ちとやはり気持ちいいほどシンクロしていただいています。
勝ちてぇんだよっ!


減量中一言でも あの男は苦しいと言っただニか!?
きっと・・・鷹村にはわかっていたんだニ 自分の体は5Rが限界だというコトを
だからこそ両手を上げ自分を奮い立たせて出て行った
自分がどれだけ期待されているかも知っている
誇りさ傷づけられても 感情を押し殺し アイツは一言も愚痴らずただ黙々と
限られた時間しか戦えないならそれに懸け 5Rを全力で戦える体に仕上げたんだニ
ワシは涙が出る 鷹村の あの誇り高い姿さ見ると 本当に涙が出るだニ!(猫田)
森川ジョージ「44巻 Round 390 喧嘩の掟」講談社

苦しいと…言ったダニか?
当時から心に刺さったシーンではありますが、僕は、初めてリアルなシーンで、学校で受験を共にした仲間にこんな心情を抱きました。
毎日のハードさに決して愚痴も言わず、ひたすら、自分の目標、高みに向かっている。
僕はそんな彼らを観ていると、喉まで出かかっている弱音を飲み込んだものでした。自分もまだまだ頑張れるはずだと。


以上、
初めてこれらのシーンを読んだとき、めっちゃ泣けました。
はじめの一歩を読んだ当時、僕は高校生でした。

熱くなるのがばからしいなんて、その頃からもう世間では言われていた気がします。

でも、時代を振り返ってみても、何かを成し遂げてきた人は、その世界のなかでどことなくクレイジーな要素を持っていたのではないのでしょうか。

僕が出会ったいくつかの名作。それは漫画だったり、小説だったり、映画だったり。
それは自分の中で確かに何かの原動力になっていました。
いつの時代でも特に、表立っては皆、本音を吐露したりはしません。(一部の偶発的で情熱的な場面をのぞいて)
自分が頑張った気持ち、それを他人と共有できる機会はめったにありません。

自分は自分として自立して、自分の行ったことを自分で誉めてあげることが大切になるのです。
それを十代の僕は感じていました。

でも、本当の心をさらけ出すのが恥ずかしい僕たちでも、はじめの一歩の感想ならなんでか素直に語れるのでした。いやーここはやばい!一歩やばい!鷹村VSブライアンホーク戦やばい!感動した!って。

僕らは名作と呼ばれる漫画や小説を媒介して、似たような感情がお互いの中にあることを確認できました。

これらの名作は、自分が孤独ではないこと、ガリガリになって頑張っている自分の心情が特異ではなくて、なにかに向かって頑張っているといつかのタイミングで出くわす感情なんだと、気づくことができます。

孤独ではない。

僕と同じ思いを表現している人がこの世のなかにいる。

それが僕を励ましてくれる。

一級建築士試験、特に設計製図試験では、深い闇のなかに迷うこともあるかもしれません。

なんで僕はここまでやっているんだろう。

他の人はゆっくりとゴールデンウィークを楽しんでいるというのに。

そんなことを感じることもあるかもしれません。

でも、間違いじゃない。

あなたのやっていることは、少なくとも何年後かのあなたの足元を柔らかく照らす光にはなるはずです。

たとえそれがぼんやりとしたおぼつかないものであっても。

僕の人生は、そんなことを受験中も妄想して、さらにこれからも自分に都合のいいシチュエーションをつくって鼓舞していく人生です。それはそれで意外と楽しい。

また機会があれば、僕の心の支えになった作品を紹介していきたいと思います。

はじめの一歩(121) (講談社コミックス)

はじめの一歩(121) (講談社コミックス)