僕と誰かの日常の記録/妄想文章

個人的なブログ。永遠のど素人が一級建築士試験を受けてみた。小説や映画の感想。思いつきで書く創作的文章など。

2017年 一級建築士設計製図試験からの帰還。

あけましておめでとうございます。

さて、このブログのはじまりは昨年の一級建築士設計製図試験の学習期間中でした。

 

2016年の『子ども・子育て支援センター』にて不合格となった僕は、このまま一生受からないのではないか、という漠然とした、でもとても脅迫的な思いを抱いていました。密かに、そこそこ期待できるのではないかと思って結果を待ってしまっていたことも、その不安を助長しました。(おそらく)実際は自分の図面程度の仕上がりでは甘く、受験者の半数以上はそれを当たり前のレベルとしてさらにミス少なく丁寧に仕上げていました。(とあるところで合格者の図面を見る機会があり、自分の図面と比較してそう結論づけました)それが僕には途方もないことのように感じられたのです。敗北感、といっていいと思います。それはどんなにエスキスや記述のトレーニングをしても消えることがなく、半ばノイローゼのように、試験のことしか考えられなくなっていきました。

 

その当時、僕は、人に聞かせたら笑われるであろう自分の心の内を、吐き出すことのできる場所を求めていました。

そうしてはじめて個人用のブログというものを作ってみたのですが、いざ画面の前に向かうとどうにも書く内容がまとまりません。

結果的にたったひとつの記事しか投稿しないまま昨年10月の設計製図試験を受験、それからは悶々とした二か月間を過ごし合否の発表までを迎えました。

試験後から発表までは、「もしかしたら受かるかも」と、自分のプランの合格の可能性をインターネット上に探し求めて、でもその日の夜には「やっぱり一昨年のように傷つきたくない」と思い、悪い結果が出た時のことを想像して心を慣らしておこうとしていた、その繰り返しの毎日でした。学校の採点の評価は、下から二番目でした。

 

 

12月21日。僕は、合格していました。

たとえば、戦いの半ばで、僕不在のところで決定した停戦を唐突に告げられたような気分でした。

 

 

受験中は、ブログのアカウントを作ったものの、投稿する段になると頭が製図脳から切り替わらず、当時の自分の心情を説明する散文がうまく出力できませんでした。吐き出す場所を求めつつも、それを具体的に表現する余力すらなかったのだろうと思います。たとえそれが穴の中に向かって叫んでいるような文章だろうと、いざ形にしようとするとそれなりの体力が必要になるものです。

だから僕は、自分の備忘録として、当時を思い起こしてこのブログを更新していこうと思っています。それは合格者の成功譚などではなく、濃密だったこの何年かの個人的な日記として。

もしたまたま、この片隅にある当ブログにたどり着いてくれた一級建築士試験受験生がいたなら、このハードな試験の合間に少しふっと息抜きできるような、そんな綴り方をしたいと思っています。