僕と誰かの日常の記録/妄想文章

個人的なブログ。永遠のど素人が一級建築士試験を受けてみた。小説や映画の感想。思いつきで書く創作的文章など。

ある思い出。(愚にもつかない)

ホワイ アイム ミー

真夜中に、ひとりで天井を眺めていると、不意に脳裏に浮かんできた。
そういうことがたまにある。
この頃やけに昔を思い出すのはどういうことなんだろうか。

RIZEの曲だ。

大体毎回いつも同じメンバーと再会。

おそらく、大学に入って少し経ったころだったと思う。

ある女の子が、RIZEをよく聴いていた。

彼女と僕は、マルボロメンソールを吸いながら、西日の入る下北沢の四畳半のアパートで寝転がって音楽を聴いた。
堕落しているような感覚、でもそれって以外と心地いいものなんだな、と僕は彼女といてはじめて思った。

恋人という体裁はとっていなかった。でも彼女の語った言葉を不思議といまでもよく覚えている。

なにか言い争ったり、なにか一緒に悲しんだりした。笑ったりもした。
彼女と微睡んでいる午後の時間が一番好きだった。そのときだけ理由のない不安を忘れられた気がした。

不毛な関係だったのだろうかと、彼女と会わなくなってからしばらくずっと考えた。いったい僕たちはなんだったんだろうかと。

今は、
小説のなかの出来事のように、それは僕から遠く離れた。

僕は、だいぶごちゃごちゃしたあの頃の思い出を、今となっては、綺麗に編集してある程度許容できるようになっていた。
それは、絶対に追い付いてこない距離まで過去が遠ざかったと自覚しているからに他ならない。

彼女と会うのをやめることになった日の前後の記憶は、特に奇妙にぼんやりとしていて、靄にかかったようになった。


もしかしたら彼女は、僕に思い出されることももう嫌かもしれない。
それとも、懐かしい過去の思い出として、滅多に押し入れから出さないアルバムのような存在になっているのかもしれない。

わからない。それは本当にわからない。今だって人の気持ちなんて本当にはわからない。過去なら尚更だ。

なんにしても、僕はこの人生でもう二度と彼女に会うことがない。


ふと、おぼろげに、彼女がどこかの場所でいろんな人に囲まれて、僕のことなんて思い出さずに笑っているシーンが浮かんできた。

彼女はとても幸せそうだった。

Why I’m Me

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